|
土ととともに三八年 築山奨さん
「最近は、工場や建物がいっぱい建って日陰になるし、夜は夜で街燈や店の明かりが野菜の生育に影響する。ここらでは農業がしにくなった。」と話すのは京都市伏見区下鳥羽の築山奨さん 築山さんの自宅は、名神高速道路の京都南インターチェンジのすぐ南側で国道一号線沿いの工業地帯や商業地域が大半を占める地域にある。 この地域では、建物と建物の間に田畑が点在し、農地は減少しているが、京都市への野菜供給源としての都市農業がしっかり守られている。
築山さんは、奥さんの佐衣子さんと二人のパートで、春はキャベツ六〇アール、夏は枝豆二〇アール、九条ネギ一五アール、秋から冬にかけては、小カブ五〇アールを周年こなす。 キャベツはJA共販で他の野菜は、京都中央市場へ毎日出荷する。自分自身で持込み、他の近郷産地からの出荷物を見る。出荷のない日には、近隣の産地へ一人で出向き、畑の作物を見に回ることもある。そのことで商品づくり、物づくりに生かす。
「日本の農業はこれからどうなるんやろな。前と比べたら、大分、収入が減った」という。 確かに、自由化の波を受け、輸入攻勢のなか、野菜の価格は毎年下がる一方であり、どこで下げ止まるのかわからない。 築山さんは、京都市とJAが三年前から推進する「京の旬野菜推奨事業」に加入した。環境に優しい農業推進の一環として、旬の地場野菜を生産者の顔が見える形で消費者に提供していくというのが、この事業の趣旨で、下鳥羽地域での加入者も増えつつある。
「地産地消」が全国的に叫ばれているが、京都市で採れたものは、京都市で消費するシステムに乗ることにより、都市農業の生き残りをかける。 今、猛暑が続いている。 「暑うてたまらんな。ネギはおおかた終わりやけど九月中旬から出荷するのに苗の定植をせなあかん。そして、今からは枝豆の出荷や」 年がら年中、休むことなしに土と親しむ築山さんは「今のペースをこの先も維持していきたい」と語る。 文章 JA京都中央 道尾利之 |